header
ホーム|Home > メールマガジン|Mail magazine > 第174号
2024年4月1日[第174号]
----------------------------------------------------------------------

やさしく学ぶマネジメント ~ 利益向上のヒント満載 ~
「気候変動への配慮に対するIAF/ISOの変更の意図とは」

----------------------------------------------------------------------

[目次]
・気候変動への配慮に対するIAF/ISOの変更の意図とは
・ヒューマンリソースマネジメント - 内部及び外部人的資本報告の指針

----------------------------------------------------------------------

フューチャーマップスの大日向礼子です。

事業年度としての2024年が始まりました。
ここ数日,関東では暖かい日が続き,桜も一気に開花が進みましたね。

昨年は,4月1日で既に葉桜になっていましたが,今年は関東では3分咲きで,例年より少し遅いようです。
自然は,人間の思いどおりにはいかないものです。
(思いどおりになったら,不自然か…)

昨日と一昨日は,季節外れの陽気で25℃を超える気温でしたが,一変して本日は,少し肌寒いようです。
難しいお天気で体調を崩しやすいので皆さまご自愛ください。

今年は桜の開花が例年より遅いということで,標本木について気になったので,少し調べてみました。

桜の開花宣言は,気象庁が標本としている木に花がどのくらい咲いたかで判断するとのことです。

東京の開花宣言は,靖国神社のソメイヨシノが「標本木」です。
毎年,テレビやラジオで中継しているので,有名な「標本木」ですね。
開花宣言は,気象庁の方が目視して,5~6輪以上の花が開いた状態です。
東京では,3月29日にやっと開花宣言されました。

東京の場合は,気象庁本庁から離れた靖国神社に標準木があるのが不思議でした。
実は,気象庁本庁が現在地(千代田区大手町)に移ったのは1964年で,それ以前は千代田区竹平町(現・一ツ橋)にあって,今よりも靖国神社に近かったというのが,理由だと分かりました!

2024年1月のメルマガで,十干(じっかん)と十二支の60の組み合わせからなる,2024年の干支は「甲辰(きのえたつ)」というお話をしました。
気象庁は甲辰に移転したのですね。ちょうど60年で干支を一周しました!

60年前の気象予報と現在を比較すると,予報の進歩はすごいです。
ウェザーニュースが身近になり,外出時の服装・持ち物など,確認するため欠かせないツールになっています。
ここ最近では,すっかりお馴染みになったゲリラ豪雨も回避できます。

気象予報は,今後,衛星がより詳細な気象データを収集することが期待されており,人工知能(AI)や機械学習などの技術が活用されて,より正確な気象予測を行うための予測モデルが進化するといわれています。

そのうち,春のお花見シーズン,門出シーズンに合わせて,気候を調整し,満開の桜を決まった日程で観ることができるような未来が来るでしょうか?
ドラえもんみたいですね。


それでは,今回のメルマガをお届けします。


----------------------------------------------------------------------
■ 今日の現場 ~現場のちょっと泥臭いお話~
----------------------------------------------------------------------

●気候変動への配慮に対するIAF/ISOの変更の意図とは


冒頭,桜の開花宣言のお話をしたとおり,植物の活動にも気候変動は大きく影響しているように感じます。
温度変化に植物たちも翻弄されているのでしょうね。

前回「マネジメントシステム規格に気候変動に関する要求事項を導入」として,ISOは,2024年2月23日にすべてのAタイプ(*)マネジメントシステム規格に気候変動への配慮に関する記述の追加を決議したとお伝えしました。
 * 認証対象となる要求事項

少し情報が不足していたので以下の情報を付加しておきます。

173号のメルマガでは,主要な10規格しか挙げませんでしたが,Aタイプで気候変動への配慮を要する規格は31規格あります。
全て記載されている資料は「IAF/ISO共同コミュニケ」にあります。

JSA(日本規格協会)から参考訳が出ています。
ただし,Type A MSS standards amended リストは省略されていますので,Aタイプの規格一覧は原文をご確認ください。

「IAF/ISO Joint Communiqué on the addition of Climate Change considerations to Management Systems Standards」

https://iaf.nu/iaf_system/uploads/documents/Joint_ISO-IAF_Communique_re_Climate_Change_Amds_to_ISO_MSS_Feb_2024_Final.pdf

「マネジメントシステム規格への気候変動への配慮の追加に関する IAF/ISO共同コミュニケ」

https://webdesk.jsa.or.jp/pdf/dev/md_6181.pdf

変更の意図として,この変更の目的は,組織がマネジメントシステムの効果的性能を考慮する際に,気候変動の問題を他のすべての問題と同様に考慮することを確実にすることだといっています。

Aタイプで認証取得上位の規格は,組織では,QMS,EMS,ISMSでしょう。

再度変更の意図を確認すると,各マネジメントシステム規格で追加する心は,「組織が事業活動をするうえで,組織の状況として気候変動を考えて」というメッセージです。

組織としては,この重要なトピックを見落とさないようにすることです。

shallとして,箇条4.1と4.2に追加される部分は,第三者審査を取得・更新するためには,要求事項なので,組織のマニュアルのどこに対応するかを明確にすることが必要です。

この中で,EMSは,SDGs達成への貢献と絡めて,温暖化防止と気候変更への適用を進めている組織は多いでしょう。
すなわち,附属書SL Appendix2の追加事項は,意識せずとも既に対応が取られていることです。
ですから,要求事項の意図を手順のどこに入れるかだけだと考えます。

EMSでは織り込みやすいですが,QMS,ISMSではどう考えれば良いでしょう。

メルマガ読者の方から質問がありましたので,私の個人的意見なのですが,お伝えしておきます。

まず,QMSは,shallの文言としては,組織のマニュアルのどこかに明示することは必要ですが,行動は変えなくても,既に気候変動を考慮した活動をしているというのが,多くの組織の実態だと考えています。

すなわち,設計・開発をする中で,新規開発でも,類似設計の流用でも良いのですが,何かしら設計をする場合は,ハードウェアなら,
・部品の採用で環境側面からのBOMリストの見直し
・電気部品などは省電力部品の採用
・グリーン調達に配慮した設計・開発
・装置全体の構成部品点数の削減(リサイクル,廃棄に配慮)
・同じ機能で容積のコンパクト化(輸送時の排気ガスなどに配慮)
・当該製品の工場ラインでのゼロエミッション化
など,既に気候変動を考慮した活動ができているので,活動を当てはめるだけだと考えています。

更に,最近では,今まで,ハードウェアで実現していた機能をソフトウェアで置き換え可能となるものもありますので,物理的に発生していた廃棄物などもなくなります。

ISO 9001でいう,製品及びサービスという,意図した結果を提供するときに,製品は物理的に見えるものとも限らないので,顧客が要求するインプットをどのように実現するのか,イノベーションマネジメントも含め柔軟な発想が求められてくることでしょう。

次に,ISMSですが,気候変動を考慮した活動の一例として,
・組織内のデータセンターやITインフラの見直し
・データセンターのクラウド化
・グリーンITの取り組み
・不要なモニター電源は消す
などです。
ISMSの活動で既に取り組んでいる活動もあるでしょう。

具体的に説明すると,組織内のデータセンターやITインフラのエネルギー効率の向上です。
組織では,データーセンターで不要なサーバーも動かしていることも多いと思われます。最適配置で見直すことで,ITインフラの運用に伴うエネルギー消費を削減し,温室効果ガスの排出量を減少させることができます。

また,最近では,多くの組織が行っている,データセンターのクラウド化や仮想化を行うことも有効です。データセンターの効率が向上し,エネルギー消費を削減することができます。

QMSにも関係しますが,ISMSでも,グリーン調達は有効です。
一般的には,グリーンITといいます。
IT機器購入の際に,エネルギー効率の高いIT機器やシステムの導入をします。
組織は,グリーンITの導入により,エネルギー消費を削減し,気候変動に関連する環境負荷を軽減することができます。

組織の一人ひとりの取り組みでも,不要なモニター電源は消すなど小さな取り組みでも,全従業員が取り組むことで,気候変動の活動の意識付けになります。

これらは,ISMSの枠組みを活用して計画,実施,監視,改善を行うことで,ISMSと環境負荷の両面でのリスクを管理することが可能となります。

労働安全面主体は,オフィスの蛍光管をLEDに変えることで,消費電力を抑えることができます。
これらは,ISO 9001の「7.1.4 プロセスの運用に関する環境」の「組織は,プロセスの運用に必要な環境,並びに製品及びサービスの適合を達成するために必要な環境を明確にし,提供し,維持しなければならない」「c) 物理的要因」にも関連します。
暗くなりがちな蛍光管よりも,作業環境の明るさを確保できるLEDに変更ということです。

以上,QMSとISMSについての観点を説明しましたが,いずれも,現在運用している,組織もマネジメントシステムを変更することなく,組織活動のどの部分が,気候変動に影響を与える活動なのかを,マッピングして,組織の構成員に教育を行い理解してもらうことが大切です。

ですから,一番の肝は,構成員への教育(理解促進)ですね!

マネジメントシステムとしては,どの活動が気候変動と結びつくのか,仕組みの点から,全体を俯瞰して,運営する責任者側の考えを整理しておくことをお勧めします。

第三者審査の扱いはこれからとなりますが,組織の考えが整理できていれば,全く慌てることなく,例年の審査と同様に対応できることでしょう。


----------------------------------------------------------------------
■ 知ったかぶりネタ教えます ~ご隠居さんのちょいといい話~
----------------------------------------------------------------------

●ヒューマンリソースマネジメント - 内部及び外部人的資本報告の指針


我が国は,少子高齢化が進み,労働人口の減少が懸念されています。
そこで,着目して欲しいISO規格があります。
皆さまも,ISO 30414 という,人的資本報告に関するISOを見聞きしたことがあるのではないでしょうか?

「Human resource management - Guidelines for internal and external human capital reporting」
「ヒューマンリソースマネジメント - 内部及び外部人的資本報告の指針」

組織が自社の人的資本(従業員)に関する情報を収集・分析し,報告するための枠組みを提供するためのガイドラインです。
これは,組織が,人材の戦略的管理やパフォーマンスの向上に焦点を当てることを支援するために設計されています。

ISO 30414 は,組織が以下のような情報を報告する際の基準を提供します。

・人的資本の戦略的方針や目標
・人的資本の計画や投資
・従業員の能力やスキルの評価
・従業員のエンゲージメントや満足度
・従業員の多様性や包摂性
・人的資本に関連するリスクや機会

このメルマガでも,何度か,人的資本や人的資本経営についてお話ししていますが,皆さまもご存じのとおり,2023年3月期の有価証券報告書から,人的資本経営の対応や情報開示の重要性が高まっています。

ISO 30414 は,ガイドラインなのでAタイプのような認証規格ではありません。
プライベート認証として,認証機関が独自に認証するものです。

しかしながら,人的資本の取組みの姿勢を見える化する手段として,ISO 30414 を活用しプライベート認証を行い,独自認証を社外に発信していくことは有用だと考えます。

欧米諸国では ISO 30414 への取り組みが進んでおり,人的資本管理や報告の重要性などは,多くの組織が関心を示しているようです。

多くの欧米企業は,ISO 30414 のガイドラインに基づいて人的資本に関する情報を収集し,報告するための枠組みを整備することで,人材戦略やパフォーマンスの向上に取り組んでいます。
この流れは,日本にも影響をもたらし,ますます人的資本の情報開示は進むと予想されます。

ISO 9001からも分かるように,人的資本の管理が持続可能な組織の成功にとって重要であることは明らかです。

日本では,ISO 30414 はJIS化はされていないため,人々を資本として扱い情報開示するために ISO 30414 を活用している組織はまだ少数です。

東京証券取引所における人材レポートの開示が義務付けられている組織は情報を取りまとめていますが,今後の市場を考えると,ISO 30414に沿って,組織内の人的資本の情報をまとめておくことも必要でしょう。

ISO 30414 の「4.7 報告領域」では,細かく決められています。
人的資本の58の開示項目がありますので,それに沿い人材マネジメントを進めて行くと良いかと考えます。

やはり,組織にとって,人は大事です。
人材を,人財という当て字で,財産と位置付けている組織もあります。

ひと昔前,ふた昔前は,人材は二の次で,教育費を削るなどで育成を疎かにして,若手やリーダの育成を後回しにしていた組織が,今になって,若手がいない,マネジメント層がいないなどで苦労しているのも見かけます。

シニア採用をするのも良いのですが,その方たちがこの先10年20年と組織を支えてくれる訳もないので,認証取得はともかく,ISO 30414 の開示項目に沿って,不足部分に注力するマネジメントをすることもリーダーの役割だと
考えます。

元気な組織で,明るい未来が続くことを期待します。


----------------------------------------------------------------------
■ 編集後記
----------------------------------------------------------------------


何度もしつこく書いていますが,千葉ジェフのネタです。
毎週の試合が気になって仕方がありません。

2024年リーグ戦当初は,今年は絶好調!と喜んでいましたが,ここ最近は,負け続きで,4回勝ちなし(負け3,引き分け1)で,現在17位です。

どうも,試合の最後の最後で,点を取られる場面が続き,終盤でがっくり状態が続いて,メンタル落ち込んでいます。

たかが,推しのチームだという位で落ち込むなという感じですが,推しが勝つと仕事にも熱が入り,負けると気持ちが沈んで,次の日の朝は元気が出ません。困ったものです。

今年は,J1に昇格しないと,エースストライカーの小森選手も引き抜かれてしまうのではと心配でなりません。
(私が心配して,どうにかなるものではないのですが…)

移籍するのは,選手本人ですが,サッカー選手の現役人生は短いために,どうせやるなら,J1で,更には日本代表選手を目指して欲しい逸材です。
代表に見合う選手なので,ジェフの勝敗が気になって仕方ありません。

ここから修正して,連勝をお願いしたいです。
監督の小林監督,私の明るい推し活のためにもどうぞよろしく!


最後までお読みいただきありがとうございました。


----------------------------------------------------------------------
■ やさしく学ぶマネジメント ~利益向上のヒント満載~
----------------------------------------------------------------------

[編集・発行]フューチャーマップス https://futuremaps.jp
[ facebook ]https://www.facebook.com/futuremaps.chiba
[ instagram]https://www.instagram.com/futuremaps2003
[ threads  ]https://www.threads.net/@futuremaps2003
[発行責任者]大日向礼子(仕事の質改善コンサルタント)
[お問合わせ]info@futuremaps.jp

----------------------------------------------------------------------
本メールマガジンの無断転載は禁止します。ご利用の際はご連絡下さい。
転送はご自由です。その際は内容を変えずにこのままお願いします。
----------------------------------------------------------------------
Copyright © 2003 Future MaPS