1987年に制定された品質保証の国際規格 ISO 9001 は,その後,1994年,2000年,2008年,そして現行の2015年と改訂されてきました。
その中で,2000年と2015年は大幅改訂といわれており,特に2000年の改訂では,ISO 9001 は,製品の品質保証の規格 “品質システム” から,顧客満足の向上を目指した規格 “品質マネジメントシステム(以下 「QMS」 と称す)” に変更され,トップマネジメントの責任が明確になった節目の改訂でした。
しかし,メインユーザーである企業人(組織に所属する人)には,マネジメントの文字が加わった2000年の改訂の規格の “心” が,今ひとつ伝わっていなかったような気がしています。
これは,顧客の期待 「ISO 9001の認証を取得した企業は,要求事項を満たした製品・サービスを一貫して提供し,顧客満足を向上してくれる。」 という思いに対して,組織(ISO 9001の認証取得をした企業)のQMSからのアウトプットは顧客の期待に必ずしも応えられていない現実があることなどから見えていました。
そして,課題を解決すべく ISO 9001が2度目の大幅改訂として2015年9月15日に発行されました。 自社のQMS改善のチャンスですので,ISO 9001の “心” を正しく理解し,組織経営のツールとして最大限に活用してください。
ISO 9001:2015対応 『差分』 監査のポイント(2018年4月から9月に執筆)
- 第1回 活動の要(かなめ)はリーダーシップ
- 第2回 組織の状況の理解とリスクベース思考
- 第3回 プロセスアプローチとPDCA
- 第4回 組織の意図した結果とパフォーマンス
- 第5回 オペレーションとそれを支える活動
- 第6回 QMS改善のキーマンは内部監査員
1996年に制定された環境の国際規格 ISO 14001 は,2004年に改訂され,最新の改訂版は2015年に発行されました。
ISO 14001 は,社会経済的ニーズとバランスをとりながら,環境を保護し,変化する環境状態に対応するための枠組みを組織に提供することを目的としています。
ISO 14001 は,組織が,環境マネジメントシステム(以下「EMS」と称す)に関して設定する意図した成果を達成することを可能にする要求事項を規定しています。
別途掲載
品質マネジメントシステム(QMS)の審査登録機関
品質マネジメントシステムの審査登録機関(Certification Body,認証機関という場合もあります)は,ISO 9001,ISO 14001などの登録証(認証書という場合もあります)を発効します。
そして,それらの審査登録機関の正当性や業務の質(正しい審査を実施して登録証を発行しているかどうか)にお墨付きを与えているのが,認定機関(Accreditation Body)です。
認定機関は原則各国にひとつです。 アメリカは ANAB,イギリスは UKAS,オランダは RvA などです。
ただし,日本ではふたつの認定機関(公益財団法人日本適合性認定協会(JAB)と 情報マネジメントシステム認定センター(ISMS-AC))があります。 ここでは,QMSの解説としてJABで説明します。
最新のJAB認定されたマネジメントシステム認証機関は 「JABのサービス一覧のページ」 で確認できます。
JAB認定されたマネジメントシステム認証機関(辞退/失効/取消の過去分を含む)
以下のリンクは,JABで公開されている内容をもとに,フューチャーマップスが過去の情報も含め整理したものです。 ご利用に際しては,使用者の責任でお願いご利用に際しては,使用者の責任でお願いいたします。
マネジメントシステム認証件数(2021年12月31日現在)
2021年12月末現在の,JAB認定機関,JAB非認定機関に登録されている組織の認証件数一覧(JABのページ)です。
品質管理検定(以下「QC検定」と称す)は,品質管理に関する知識や技能を測定するための検定試験です。
QC検定は,企業や組織において品質管理を担当する人材の能力評価やスキルアップのために活用されるほか,品質管理に関する知識や技能を身につけるための学習の機会としても利用されています。
QC検定の詳細は,日本規格協会グループ(JSA)のQC検定インフォメーションをご確認ください。
QC検定は,1級・準1級/2級/3級/4級に分かれており,それぞれの認定する知識と能力のレベルは,次の表(JSAのページ)のとおりです。