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2022年6月1日[第152号]
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やさしく学ぶマネジメント ~ 利益向上のヒント満載 ~
「SDGsと品質マネジメントシステムは相性が良い」

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[目次]
・SDGsと品質マネジメントシステムは相性が良い
・ISO品質システム委員会(TC176)のSDGsへの貢献

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大日向礼子です。

このところ,急に気温が高くなり,場所により35度を記録したとのニュースも聴こえてきました。なに!?
もう,ビールとかき氷の季節かと思うと,ちょっと早すぎですね。
暑さにめっぽう弱い私なので,この先が心配です。

気温上昇と聞くと,ほぼ職業病で,EMS(環境マネジメントシステム)運用,気候変動危機などの情報に頭が向かってしまいます。

気候変動というと,CDR(Carbon Dioxide Removal 二酸化炭素除去),SRM(Solar Radiation Modification 太陽放射改変)などの対応があります。
皆さまの組織でも,CDRの取り組みなどをされているのではないでしょか?

分かりやすいところでは,造林・植林・森林管理ですね。
組織(企業)によっては,植林ボランティアの参加,森林管理を自治体と提携しているという活動をしている団体もいます。

日本では,温室効果ガス(*)を減らすために,2013年比で,2030年に46%減,2050年に実質ゼロにする取り組みを2021年4月にスタートしています。
* 二酸化炭素,メタン,一酸化二窒素,フロンガスなどで,二酸化炭素が75%位を占めています。

このようにお話しすると,地球環境の話だからEMS,SDGsの話題で,QMSは関係ないのではと思ってしまうでしょう。
CDRでは,企業の製品及びサービスの提供において貢献するべく活動している組織もあります。
温室効果ガスゼロを目指した製品を開発して市場に提供するなどです。
例えば,CO2吸収型コンクリート「CO2-SUICOM(シーオーツースイコム)」は,植物のようにCO2を吸い込んでCO2排出量をゼロ以下にする製品だそうです。
まさかのダジャレ!

これを企画・開発することはQMS関連ですね。
また,このコンクリートを採用して社屋を建設しようとか,公共事業で採用などもQMSに関連します。

製品及びサービスの品質をマネジメントするQMSだからこそ,企画の段階から,地球環境にやさしい製品及びサービスを提供することを考えることができます。

そこで今回は,SDGsからの視点でISO 9001は使えるぞ~!ということを考えてみたいと思います。


それでは,今回のメルマガをお届けします。


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■ 今日のちょいネタ ~身近で見つけたちょっと気になるマネジメント~
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●SDGsと品質マネジメントシステムは相性が良い


SDGs(持続可能な開発目標,Sustainable Development Goals)の話と一緒に語られるマネジメントシステムは,ISO 14001環境マネジメントシステムだと思っていらしゃる方も多くいらっしゃるでしょう。

「やさしく学ぶマネジメント」の視点では,SDGsとISO 9001の関連についてもおさえておきたいところなので,QMSにスポットをあててみます。

ISO 9001:2015の「序文 0.1 一般」では,

「品質マネジメントシステムの採用は,パフォーマンス全体を改善し,持続可能な発展への取組みのための安定した基盤を提供するのに役立ち得る,組織の戦略上の決定である。」

「The adoption of a quality management system is a strategic decision for an organization that can help to improve its overall performance and provide a sound basis for sustainable development initiatives.」

と述べられてます。

ですから,QMSを採用して,組織の仕組みを構築していることそのものが,持続可能な発展への取組みのための安定した基盤を提供するのに役立っているということです。

そして,「序文 0.1 一般」では,

組織は,この規格に基づいて品質マネジメントシステムを実施することで,次のような便益を得る可能性がある。

a) 顧客要求事項及び適用される法令・規制要求事項を満たした製品及びサービスを一貫して提供できる。
b) 顧客満足を向上させる機会を増やす。
c) 組織の状況及び目標に関連したリスク及び機会に取り組む。
d) 規定された品質マネジメントシステム要求事項への適合を実証できる。

と言っています。

2050年までのカーボンニュートラルの実現に向け「地球温暖化対策推進法」が定められたことはご存知の通りですが,環境活動だけでは限界があります。
製品及びサービスを提供することを企画する段階から考える必要があります。

製品及びサービスを提供する立場ではない組織においては,購入活動の際に,グリーン調達を心がける,SDGs活動に積極的なサプライヤーと協業するなど,できることは多くあります。

製品及びサービスを提供する立場の組織では,上述の組織に対し,顧客満足の向上につながる活動を提供する必要があるでしょう。

企画の段階から,SDGsの17のゴールを意識した製品及びサービスを提供する場合,新しい技術の採用なども視野に入れるとなると,当然,リスクもありますが,それだけ組織のチャンスも広がります。

これらのリスク及び機会は,その組織が持っている様々な資源によって,どの程度になるのか,戦略企画,事業目標策定の段階から考えなければなりません。
これら目標は,単年度ではなく,時により,中長期計画に織り込む事案であり,現在の立ち位置からでは,目指す未来が見えないこともしばしばです。
このような場合は,バックキャスティングで未来を創造(想像ではない)することもマネジメントの一環です。

ISO 9001の「6.2 品質目標及びそれを達成するための計画策定」の品質目標の英文は,Quality objectivesです。
OBJECTIVESは「計画的な努力で達成される目標」とのことを前回のメルマガでお話しした通りですが,SDGsは,目標をGOALとしています。

GOALは「最終的な目標,長期間努力した先の目的」ですが,ISO 9001の目標の一環として,組織のありたい姿を描いて活動することは大いに推奨されるべきでしょう。
すなわち,目標は品質に特化したものではなく,様々な領域に関連することはISO 9000の用語の定義でも述べている通りです(3.7.1 目標(objective))

ISO 9001では,Quality objectivesと表現しています。
SDGsの17のゴールを,組織のQuality objectivesと考え,戦略的・戦術的又は運用的に捉え,利用することが,組織(企業)にとってQMSを実施する便益を得ることとなります。

マネジメント層が,ISO 9001上手く解釈して利用すれば良いだけの話です。

以上,お話ししたことは,
ISO 9001の「序文 0.1 一般」に記載された内容だけで,SDGsに関連する話題として提供してみました。

SDGsとISO 9001は相性が良いことが何となくお分かりいただいたでしょうか?

この序文を受けて,規格要求の箇条4以降が展開されて,それぞれの組織のQMS活動に紐づいていくわけです。

SDGsの17のゴール,169のターゲットで,自分たちの組織は,何が出来るか,組織の存在意義として,何をしなければいけないか,目標を立てて,バックキャスティングで,実現へ向けてのマイルストーンを描き,その過程で,
実現に向けた課題の抽出(組織のコンテクストも一緒に考える)をします。
課題が見えたら,リスクと機会も見えてくるでしょう。

組織は,企業などの営利団体なら,単なるボランティアでは稼げないので,自社の強み・弱みなどを把握し,SDGs活動と企業経営が両立し,自分たちの顧客が望むことを実現する(近江商人の“三方良し”)ことを行います。

SDGsを自分ごとと捉え,企業としてQMSのアウトプットである,製品及びサービスを提供する例として,ICT活用農業,魚の乱獲を防ぐレーダー,食料の廃棄をなくすためのPOS,清潔な水を提供するためのろ過装置,スマートシティ,CO2を吸い込むコンクリートなど,上げれば際限なく事例は出てきますね。

これらは,内部・外部の課題を明確にして,品質方針,品質目標を策定するというマネジメントシステムで,組織のQMS活動に取り込めます。

ISO 9001は,システム自体がPDCAサイクルになっていますので,目標が達成出来たか否か,組織が決めたタイミングで監視・測定,分析・評価できます。
未達成の場合は目標の見直しをする(軌道修正)など,パフォーマンス評価とレビューを行い,目標を振り返るPDCAを回します。

この目標は Objectives と捉え,これら小さなPDCAをたくさん回して,SDGsのGoalに近づいていけば良いでしょう。

相性が良い話をしていると際限がないのでこの辺で終わりますね。

それぞれの組織で,SDGsのどのゴールに貢献できそうか,マネジメント層で話し合ってみることをお勧めします。
きっと,SDGsに絡めたQMS活動を促進させるきっかけになるでしょう。


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■ 知ったかぶりネタ教えます ~ご隠居さんのちょいといい話~
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●ISO品質システム委員会(TC176)のSDGsへの貢献


先日QMS関連の講習会を受講した際に,私の関心毎のお話しがありました。
前の記事でもお話しした,QMSだってSDGsに使えるよ!という件です。

「ISO規格のSDGsへの貢献」というタイトルで,ISO 9001のSDGsへの貢献に関する項目として4つをあげていました。
 GOAL1: NO POVERTY
 GOAL9: INDUSTRY, INNOVATION AND INFRASTRUCTURE
 GOAL12: RESPONSIBLE CONSUMPTION AND PRODUCTION
 GOAL14: LIFE BELOW WATER

そして,TC176は4つに加えて次の2つの貢献も示しているとのことでした。
 GOAL8: DECENT WORK AND ECONOMIC GROWTH
 GOAL10: REDUCED INEQUALITIES

説明内容は,ISOの公式ページに掲載されている内容の概略だけでしたので,ISOのリンクにて皆さまにお知らせしておきます。

ISOのページにSDGsの17のゴールの6つが示されています。
https://www.iso.org/committee/53896.html

GOAL1: NO POVERTY
https://www.iso.org/sdg/SDG01.html

GOAL8: DECENT WORK AND ECONOMIC GROWTH
https://www.iso.org/sdg/SDG08.html

GOAL9: INDUSTRY, INNOVATION AND INFRASTRUCTURE
https://www.iso.org/sdg/SDG09.html

GOAL10: REDUCED INEQUALITIES
https://www.iso.org/sdg/SDG10.html

GOAL12: RESPONSIBLE CONSUMPTION AND PRODUCTION
https://www.iso.org/sdg/SDG12.html

GOAL14: LIFE BELOW WATER
https://www.iso.org/sdg/SDG14.html

また,次のリンクでは,持続可能な開発目標の説明と,ISO規格がSDGSの達成にどのように役立つかを説明しています。
https://www.iso.org/sdgs.html

このページの下には,17のゴールに直接適用されるISO規格の数を確認できます。
棒グラフで視覚的に分かりやすい表示になっています。

棒グラフを観ると,GOAL9: INDUSTRY, INNOVATION AND INFRASTRUCTURE が圧倒的に多いことが分かります。

観たいゴールのグラフをクリックすると,最初に示した,それぞれのゴールのリンクが観られます。
ゴールのページの中段には,そのゴールの達成に貢献している規格を検索するツールがありますので,QMSに限らず,ご自身が関連する規格がどのゴールに貢献しているかを検索してみるのも楽しいでしょう。

だんだん,マニアックになってきたので,こちらもこの辺で終えます。

これらのゴール目標を観ていると,パーパス経営もセットで考えたほうが良いことが見えてくると思います。

パーパス経営については,要望などあればお話しします。


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■ 編集後記
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ずっと行きたかった,西武園ゆうえんちに行ってきました。
株式会社刀の代表取締役CEO森岡毅氏が,再生を手掛けた施設です。

森岡毅氏といえば,ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)を再建で,有名なのでご存知の方は大勢いますね。

やさしく学ぶマネジメントのメルマガとしては,ここで,マーケティングの話しをするところですが,終わりのちょっとした一言なので,ゆる~く。

西武園ゆうえんちのリニューアルについては,「1960年代レトロ」がテーマで昭和の街並みを再現ということは,メディア各所で紹介されていましたね!

昭和生まれの私は,雰囲気を味わいたいので,子どもと夫を誘って行きました。
子どもといっても,既に社会人と大学生で,しかも男どもなので誘いに乗って来ないかと思いました。

でも,母の日(5月8日)ということもあり,しょ~がないから親のわがままに付き合うかと,一緒に行ってくれました。
お財布は私ですが,素直に嬉しい!(親ばか通り越し??)
昭和の街並みでダイハツ・ミゼットの前で記念写真を撮っただけで満足!!

西武園ゆうえんちのレトロな乗り物にたどり着くまでに,夕日の丘商店街を行ったり来たり,そこで数時間を費やしてしまいました。
昭和の街並みを再現したのが,夕日の丘商店街です。

昭和感を味わうために,専用の通貨(西武園)を購入して,それでやり取りをするので,お金を扱うというより,トラベラーズチェックのようで,紙紙幣でお買い物ごっこをして遊んでいるような感覚でした。

百園紙幣,拾園紙幣の二種類を使って支払うのですが,例えば,バタアエビピラフ 100園,プリン・ア・ラ・モード 70園などです。
10園が120円なので,冷静に考えれば,どれもメッチャ高いです!

60年代当時の感覚で交流できるという体験(コト)に,まんまとドはまりし,スパゲッティ・ナポレターナ,プリン・ア・ラ・モード,ゼリイポンチ,オムライスなど,更に歩きながらの揚げたてコロッケも食べました。

昭和感を出すために,アルミ(?)のお皿に先割れスプーンなどで,食器は,ちょっと苦手な感じでした。
ガラス食器も厚ぼったいちょっとくすんだ昭和の喫茶店風で,私としては,昔はこうだったと懐かしいのですが,若い人はエモいのだそうです。

商店街は,細部まで良く作り込まれていて,子どもの頃にあった薬局の風景,八百屋さん,荒物屋さん,などなど,観ているだけでも楽しかったです。
商店街の人たちのパフォーマンスはなかなか絶品でした。
特に,荒物屋さんのドラムパフォーマンスは,音楽としても確立されていて,パフォーマーとしても素晴らしかったです。
夕日の丘商店街の住人たちは,どれもショーとして楽しかった!

新しいアトラクションは「ゴジラ・ザ・ライド」のみで,他は従来の昭和のアトラクションだったので,ゴジラ・ザ・ライドを2回乗ってしまいました。
昭和の街の片隅にたたずんでいる映画館の「夕陽館」がライド場所です。

1回目は,結構激しめのフライトシミュレーターと映像&ミストでびっくり!
2回目は,少し映像を観る余裕ができましたが,動きが激しすぎて,2回とも乗り物酔いになりました。

個人的感想は,もうひとつ,最新鋭の乗り物があるといいかなぁ~。


最後までお読みいただきありがとうございました。


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■ やさしく学ぶマネジメント ~利益向上のヒント満載~
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