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2003年11月17日[第005号]
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やさしく学ぶマネジメント ~ 利益向上のヒント満載 ~
「コミュニケーションの阻害要因。自分の態度を変えてみる」

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[目次]
・コミュニケーションの阻害要因
・パフォーマンス改善の指針って?
・マルコムボルドリッジ国家品質賞(MB賞)

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■ 今週の枕
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●コミュニケーションの阻害要因


チキチャンリンチャンリン。ドドン!

え~。
お忙しい中,お運びくださいまして真にありがとうございます。


第002号のメルマガで,次のようなことを書きました。

----- 第002号抜粋 -----

 世の中にはいろんな人がいます。
 顧客とのコミュニケーションには,細心の注意が必要です。

 情報を発信する人の意識と受け取る人の意識は,必ずしも一致していません。
 エンコーダ(変調器)とデコーダ(復調器)が人によって違うのです。

----- 第002号抜粋ここまで -----

今回は,エンコーダ(変調器)とデコーダ(復調器)が人によって違うことから生じるコミュニケーションの阻害要因に着目してみましょう。

エンコーダ(変調器)とデコーダ(復調器)なんて言葉を使うと,一瞬難しそうな感じがしますが,そんなことはありませんよ。
コミュニケーションを説明するのにとても適している表現なのです。

電話やファックスを思い浮かべてください。

情報の発信側は,声や文字・絵・図を電気信号に変えて送ります。情報の受信側は,送られてきた電気信号を,声や文字・絵・図に戻します。
このようなやり取りがされて始めて情報の授受が出来るのです。

情報発信側のエンコーダが変調した通りに,情報受信側のデコーダが復調してくれないと,声は正しく伝わらないし,文字・絵・図も受け取れないか,歪んでしまいます。

コミュニケーションもそれと全く同じです。


ところで,コミュニケーションの阻害要因ってなんだと思いますか?

創刊号,第002号のメルマガで取り上げた顧客とのコミュニケーションも大事ですが,内部のコミュニケーションが円滑に行なえないと外部とのコミュニケーションはうまく行くはずがありません!(きっぱり!)

ましてや,管理する立場にいる皆様は,部下とのコミュニケーションが非常に大切となります。部下が成果を上げられなければ上司にも責任があります。
(責任がないと思っている人は,リーダーになっちゃいけませんっ!)


一般に言われているコミュニケーションの阻害要因(フィルター)は以下です。

 経験,興味,感情,記憶,憶測,価値観
 信念,期待,偏見,態度,姿勢,印象


これらを,エンコーダ(変調器)とデコーダ(復調器)で考えて見ましょう。

例えば,上司のあなたが,新入社員と入社10年目の中堅社員に同じ言葉で仕事を指示したとします。

言葉を使って情報を発信している行為が,情報発信者のエンコーダです。
(図や絵を使って情報発信する行為も同じです。)

あなたの指示した言葉(図,絵など)を,新入社員と入社10年目の中堅社員はあなたが意図・期待した通りに同じように受け取ってくれるのでしょうか?

答えは,ノーです。
それは,新入社員と中堅社員の持っているデコーダが違うからです。

ぴったりと同期(*)が取れていないと情報は当然歪みます。
 * 二つ以上の信号や処理のタイミングが合うこと。

新入社員の持っているデコーダは,“経験”というフィルターによって情報が阻害され,指示したことの半分しか伝わっていないかも知れません。
しかし,新入社員は,上司の情報を全部受け取ったと思えば,次に質問はしないでしょう。

一方,中堅社員の持っている情報のデコーダは“感情”というフィルターが強いかもしれません。

あなた(上司)に対し,良くない感情を持っている場合は,(極端な例ですが)ロボット的に指示された最低限のアウトプットを出しておけばいいやと考えて,あなたがプラスアルファの“期待”をしても,あなたの思い通りの結果は出てこないかもしれません。

“期待”を情報に乗せても,その“期待”を受け取れるデコーダを持っていないため,フィルターで情報が変わってしまったり,除去されてしまうのです。

コミュニケーションは,人間対人間なので一筋縄では行きません。

話し出したら,大変な情報量ですので,残念ですが,メルマガでは全てを紹介することは出来ません。

上司のあなたが,部下の行動パターン,思考の癖など,業務に影響する部分をどれだけ見極めることが出来るかで,業務効率は確実に変わります。


----- [ シンキングタ~イム! ] -----

世間では,
「コミュニケーションが希薄だ。」
「上(上司)と下(部下)のコミュニケーションが出来ていない。」
などと盛んに言われています。

また,Face to faceのコミュニケーションの必要性なども見直されています。

電話やメールの発達により,顔を見ながら相手に意思を伝える時間が減少しています。各企業は,それではまずいと気が付き始めているようです。


管理職の中には,私は,「コミュニケーション」は,「飲ミュニケーション」により,円滑に出来ていると自信たっぷりの方もいます。(--#

一部はそれでうまく行くかも知れませんが,飲ミュニケーションで上司から誘われるのは迷惑だし断りにくいと思っている人も大勢いるのです。

飲ミュニケーションよりも,コミュニケーションの阻害要因を少しでも改善する努力を,日常の業務の中で行うべきです。

例えば,
現場を回って“企業理念”を熱く語ったり,
担当者が実施している仕事の説明を聞いてみたり,
担当者の仕事に対する企業の期待などを話したり,態度で示したり・・・。

また,自分の経験や失敗談を話してみると,印象が良くなるかも知れません。

阻害要因を少なくする努力はいろいろありますよね。


----- [ 本日のうんちく ] -----

コミュニケーションには12の阻害要因があります。
阻害要因を改善する努力は,日常の業務の中で行うべきです。

相手にあわせて阻害要因を少しでも少なく出来るのは情報発信者です。

上下左右のコミュニケーションが上手く行っていないと思っている場合は,上司(経営者,管理職など)が,自分の態度を変えてみることです。

情報が正しく伝わらなかったときは,「あいつは理解力が足りない。」などと,聞く人のせいにしないで,自分は,情報を受け取る相手に,正しく情報を伝える努力をしたか振り返って下さい。

コミュニケーションをどう取るかはあなた次第です。


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■ 八っつあん熊さんにも分かる 基本のき ~ISOのお噺(はなし)~
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*-----* 登場人物 *-----*

  八:八っつあん。八公とも呼ばれている。
    本名は八五郎。職業は大工(無職の時もある)
    喧嘩っ早いが義理人情には厚い江戸っ子の典型。
    結構そそっかしい。

  熊:熊さん。熊公とも呼ばれている。
    本名は熊五郎。職業は八っつあんと同じ大工。
    義理人情には厚い江戸っ子の典型。
    八っつあんに比べると体がデカイ。

  隠:ご隠居さん。
    なぜか横丁に住んでいる。若い時は働き者だったらしい。
    博識者でなんでも知っていることになっている。
    知らないことは知ったかぶってメンツを保っている。

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●パフォーマンス改善の指針って?


八「ご隠居さん。こんにちはっ!」

熊「ご隠居さん。ちわーっす!」

隠「はいはい。来ましたね。今日は,ISO9004の簡単な説明だったな。
  では,前回のように,半紙に書いた規格の名前一覧を眺めてみなさい。」

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  ISO9000:2000(JIS Q 9000:2000)
   品質マネジメントシステム - 基本及び用語
  ISO9001:2000(JIS Q 9001:2000)
   品質マネジメントシステム - 要求事項
  ISO9004:2000(JIS Q 9004:2000)
   品質マネジメントシステム - パフォーマンス改善の指針
  ISO19011:2003(JIS Q 19011:2003)
   品質及び/又は環境マネジメントシステム監査のための指針
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隠「前回は,要求事項の説明だったので,ISO9001はどんな規格かを説明した
  が,今回説明するISO9004は,指針と書いてあるだろ?指針というのは,
  ガイドラインなんだよ。」

八「じゃあ,ガイドラインなら,守らなくってもいいんだ!」

隠「八っつあん,まあそう決め付けないで・・・。
  確かに,ISO9004は守らないと,お客様に怒られたり,商品やサービスを
  購入してもらえなくなる。という規格ではないがな・・・。」

熊「じゃあ,なぜISO9004なんてあるんですか?」

隠「熊さん,いい質問だね。
  なぜあるかというとだな,ISO9001の要求事項を超えて,組織・企業の
  パフォーマンス改善を目指すようなマネジメントシステムモデルになって
  いるからだ。つまり,お客さんの要求だけではなく,自分達の管理を積極
  的に行なうことによって,組織・企業をより筋肉質にするということなん
  だよ。」

八「じゃあ,じゅんちゃんとか,よしべえに要求されていないことことでも,
  自分達で,こんなことを改善した方がいいとか,あんなことを改善した方
  がいいとか,考えるのかなぁ?」

隠「その通りだ。
  ちょっと難しいが,ISO9001は,継続的に改善する対象は,品質マネジメ
  ントシステムだけでいいよ。と要求しているのだ。
  これは,仕事の質の管理の仕組みを改善しなさいということなんだよ。」
  
 「一方,ISO9004は,自分達の管理を積極的に行なうガイドラインなので,
  管理の仕組みの改善に留まらず,製品・サービス,プロセス,システムの
  どれについても,有効性と効率を含めて継続的に改善しなさいということ
  なんだよ。」

熊「じゃあ,ISO9001だけみて仕事をしていても駄目なんだな。」

隠「駄目じゃないが,熊さんだって,よしべえの家を建てる時に,棟梁に提案
  したことがあるだろ?」

熊「ご隠居さんは,何でもお見通しなんですね。
  そうなんですよ。木材を現場で測って・印をつけて・切るんじゃ手間が
  かかってしゃーないんで,大きさが標準パターンの木材は,材木屋の裏の
  空き地で印をして鋸入れてから現場に搬入した方が効率的なんで,棟梁に
  提案したんでさぁ。」

八「そうそう!よしべえの家を建てる時は,両隣が長屋で材料の置き場がない
  んですよ。もう,狭いのなんのって!
  あの現場でやったら,作業が倍かかっちまいますよ!」

隠「ほっほぉ~。
  それは,まさにプロセスを改善して作業の効率化を図っているんだ。
  決まったやり方に捉われずに改善をしているということだ。」

 「ISO9004には,お前さんたちがやっているようなプロセス改善のヒントが
  たくさん書かれているんだよ。
  ISO9001と項番も揃っているから見やすいんだな。これはちょ~っと,
  難しいが,コンシステントペア規格というんだ。」

 「ところで,作業効率を考えてプロセスを見直すなんざ,熊さんもやるね。
  見直したよ。」

熊「いえね。褒められる照れますが,早く仕事を切り上げて,家で一杯きゅ~
  っとやりてえんですよ。」

隠「・・・。(^^;動機が不純だね。でも,熊さんらしいね・・・。」

 「次は,八っつあんが,ちょっと仲間はずれっぽいなぁ~。と言っていた
  ISO19011について指南するとしますか・・・。」


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■ 知ったかぶりネタ教えます ~ご隠居さんのちょいといい話~
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●マルコムボルドリッジ国家品質賞(MB賞)


皆さんは,日本経営品質賞って知っていますか?
1995年12月に社会生産性本部が中心となり創設したものです。

経営の質を改善するツールとしてISO9001,ISO9004がありますね。
(「八っつあん熊さんにも分かる 基本のき」で説明掲載中。)
一方,自分の会社・組織がどれだけの実力(点数)を取れるのかの物差しの役割をしているのが,日本経営品質賞です。


今回は,日本経営品質賞を理解するうえで,創設する際に参考とした国家賞「MB賞」について知ったかぶりましょう。

背景は,1980年代のアメリカです。
産業の空洞化,競争力の低下,金融の危機,失業者の増大,犯罪の増加など,が進んでいました。(この頃日本はバブル経済真っ盛り)
(なんだか,1990年代の日本ですね・・・。)

アメリカ経済の復活に向けたレーガンの政策のひとつに企業力強化がありました。
そこから,品質重視と顧客重視に基づいたマルコムボルドリッジ国家品質賞(Malcolm Baldrige National Quality Award;MB賞)が創設されたのです。


[MB国家品質改善法1987年施行連邦法100‐107より抜粋]
経営幹部主導による顧客重視の品質向上プログラムが必要です。
そして,企業や行政機関がいままで行っていた仕事のやり方を根本的に変革することが要求されます。

[MB賞審査基準書より抜粋]
クオリティは,顧客によって判断されるものです。
従って,クオリティは全ての製品やサービスの特性と特徴を考慮し,顧客に価値を与え,顧客が満足し,選択し,購買を継続することに役立つものでなければなりません。

品質を重視すること,お客様を重視することは大切だと言うことが,再認識されますね。(^-^)


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■ 編集後記
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コンビニ好きな私は,毎回のメルマガで,つい話題を出てしまうのですが,またまた,コンビニで新しいものを買ってしまいました。

BOWS(ボウズ)です。

通信販売やテレビショッピングでは,新しいものではないのですが,コンビニで買うと言うことが新しいのです。
テレビショッピングで見て,いいな~と思っていたのですが,なかなか買ってみようとまでは思いませんでした。(皆さんもそうじゃありませんか?)

コンビニでお試し価格として,レジ前に,5スティック入ったものが置いてあったのです。(レジ前は,買う予定をしていないのに,つい手に取ってしまうものを置いていますよね。作戦にはまりまくりな私。)


私は,太ってはいなく身長・体重比では少しやせている部類なのですが,とにかく痩せの大食いで食いしん坊です。(女子です!きっぱり!!)

BOWS(ボウズ)は,いつものコンビニ(第002号「今週の枕」参照)の宣伝文句では,「油分・糖分の吸収阻害系ダイエット・サポートです。」
となっていました。きた・きた・きたぁ~~!

吸収阻害系ですよ! 期待大!! わくわく!


テレビショッピングでは,ステーキ食べても豆腐一丁分のカロリーということらしいので,夕方,前から気になっていたラーメン屋さんに行きました。

食後,お店でBOWS(ボウズ)を飲んで,ラーメンは食べなかったことになる?計算なので,家に帰って,得した気分で,普通に夕食を摂りました。

・・・。次の朝,おなかが一杯でした。そして・・・,3日間便秘でした。
う゛う゛う゛っ~。膨満感だぁ~。
4食が3食分になる訳ではないようです・・・。


用法,用量は正しく守ってね。
ピ~ンポ~ン!


おあとがよろしいようで。。。

デデン!


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