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2003年10月28日[第003号]
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やさしく学ぶマネジメント ~ 利益向上のヒント満載 ~
「消費者心理を利用する。くすぐられてますっ!」

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[目次]
・消費者心理を利用する。
・品質マネジメントシステムの種類
・環境から見たコミュニケーション

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■ 今週の枕
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●消費者心理を利用する。

チキチャンリンチャンリン。ドドン!

え~。お忙しい中,お運びくださいまして真にありがとうございます。


前回のメルマガで,コンビニネタを書きました。
私はコンビニが大好きです。コンビニの戦略についはまってしまうのです。

コンビニというからには便利じゃないと駄目です。
スーパーマーケットも24時間営業が増え,駅前に隣接する大型店などはとっても コンビィ~ニエンス!です。

では,コンビニと24時間営業のスーパーは同じになってしまったのでしょか?

いえいえ。最も大きな違いは店舗規模です。
コンビニは,小スペースにも関わらず商品の陳列数の多さは見事でしょ?
また,小スペースゆえに無駄なもの(売れないもの)は置けません。
コンビニは小さなスペースに,世の中の最新情報を詰め込んでいるのです。

コンビニネタはこれくらいにして,また今度にしましょう。
きりがなくなっちゃいますので・・・。(^^;ゞ


さて今回,コンビニで注目するのは,花王の「ヘルシア」です。

私は,某ビジネス雑誌に掲載されているのを見て,(@v@)!これだぁ~!
と思い,次の日から早速,毎日せっせと買って飲んでいます。
(体脂肪が減ったかは不明。あの苦さが効きそう・・・。)

私は,あたらしもの好きです。だからコンビニ好きなのです。
消費者が飛びつきそうな物に引き寄せられます。
花王の「ヘルシア」は,そんな消費者の心理をうまくついている商売です。

分かっちゃいるけどやめられない!・・・と,つい,買ってしまいます。
それもこれも,マーケティングがしっかりされているからでしょうね。

「茶カテキン540mg」という値がどれ位高濃度なのか,私には分かりませんが「体脂肪が気になる方に」のコピーには参りました。(^^;ゞ

ペットボトル入りお茶市場は,伊藤園「お~いお茶」呪縛から長い間逃れられず,久々の快挙が,キリンビバレッジの「生茶」でした。
松嶋菜々子さんを起用し,「お茶にも生があったんだ」という頭に残るコピーで,「お~いお茶」呪縛を見事に打ち破ってくれました。

そして,今回ペットボトル入りお茶市場にもっと凄い商品が投入されました。
そう!それが2003年5月下旬に登場した花王の「ヘルシア」だったのです!

更にびっくりなのが,
「特定保健用食品」の表示許可を厚生労働省からお茶飲料として初めて取得したのです!
 (@。@)びっくり!

花王「エコナ」に続き,「ヘルシア」とは・・・。さすがだなぁ~。

「エコナ」も「ヘルシア」も他と比較すると断然値段が高いのですが,圧倒的に売れるのです!
本当に,消費者の心理をうまくついている・・・。
そういう私も買ってるし!

現在の販売は,関東甲信越のコンビニに限っているので,安売りにさらされることもなく180円の「ヘルシア」は売れつづけています。
8月のあるPOS情報のレシートデータでは,15歳未満の中高生の女子,30歳未満の成年男性,50歳未満の中年男性を中心に売れているようです。

私が毎朝寄るコンビニでは,10月初旬まで「ヘルシア」をずらっと2段並べて販売していましたが,10月中旬以降,ルイボスティーやマティ茶などの健康茶に1段とって変わられています。
8月は快進撃だったけど,10月あたりでちょっと緩んだかなぁ~。
(先に書いたように,コンビニは小スペースで如何に多くの売上を出そうと業務のやり方を継続的改善している業態なのですからっ。)

ともあれ,これから,全国展開するであろう「ヘルシア」の今後の動きに注目したいっ!(というより,早く安売り店で買いたいなぁ~というのが本音。)
(^-^)そして,ちょっと寒くなってきたからコールドはつらいので,暖かい「ヘルシア」があれば買っちゃうんだけどな・・・。


----- [ シンキングタ~イム! ] -----

ペットボトル入りお茶市場は飽和状態だと言われていました。
強い飲料の牙城崩しは困難です。

花王の「ヘルシア」は,強者に真っ向から立ち向かうのではなく,別な観点から,ペットボトル入りお茶市場に参入しました。
健康食品的イメージで消費者にアピールしたのです。
しかも,厚生労働省許可「特定保健用食品」の看板付きで!

このマーケティング活動をISO9001に当てはめてみると,(この要求事項はひとつではないですが,代表として)

 5.2 顧客重視

   「顧客満足の向上を目指して,トップマネジメントは,顧客要求事項が
    決定され,満たされていることを確実にすること.」

にあたります。

この事例の場合は不特定多数の市場なので,決まったお客さんに顧客要求事項を聞くことは出来ませんが,マーケティングの手法で,市場調査をして仮設を立てたものが,開発者(花王)からみた,顧客要求事項決定になります。

茶カテキンは「ヘルシア」で注目されたわけではなく,その前から様々な効能があるということで,雑誌やテレビで取り上げられました。

それを,脂肪燃焼させるには?ということで研究をして,顧客要求の仮説を立て,製品化までこぎつけ,顧客要求事項を見事に満たしている花王は偉い!
付け加えると,伊藤園「お~いお茶」の市場を奪うことなく・・・。


----- [ 本日のうんちく ] -----

消費者心理をうまく利用すると,ヒット商品が生まれる。
顧客要求事項を満たす企業は,しっかりと仮説を立てて取り組んでいる。


世の中で売れているものは,必ず計算された仕掛けがあって,仕掛けた通りに消費者が動けば,必ず仕掛人に利益をもたらします。

大企業,大市場に真っ向から勝負を挑まないで,中小の出来ることは何か?
人に出来なくて自分に出来るものは何か?
を考えて,ニッチ分野,オンリーワン分野を開拓しましょう。

小規模事業者の皆様,トップマネジメントの方,
大企業,大市場に立ち向かって,玉砕されるリスクを負えますか・・・。


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■ 八っつあん熊さんにも分かる 基本のき ~ISOのお噺(はなし)~
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*-----* 登場人物 *-----*

  八:八っつあん。八公とも呼ばれている。
    本名は八五郎。職業は大工(無職の時もある)
    喧嘩っ早いが義理人情には厚い江戸っ子の典型。
    結構そそっかしい。

  熊:熊さん。熊公とも呼ばれている。
    本名は熊五郎。職業は八っつあんと同じ大工。
    義理人情には厚い江戸っ子の典型。
    八っつあんに比べると体がデカイ。

  隠:ご隠居さん。
    なぜか横丁に住んでいる。若い時は働き者だったらしい。
    博識者でなんでも知っていることになっている。
    知らないことは知ったかぶってメンツを保っている。

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●品質マネジメントシステムの種類

八「ご隠居さん。こんにちはっ!約束通り教わりにきました。
  ご隠居さんも約束のお茶,忘れないでお願いしますよっ!」

隠「はいはい。分かってますよ。
  八っつあんが喜ぶと思って,お茶菓子の羊羹も用意しましたよ。」

八「さすが,ご隠居さん!へへっ。」(さっそく頬張る)

隠「・・・。八っつあんは何しに来たんでしたっけ?」

八「あっ!!
  (^^;ゞ そうそう!今日は何を指南してくれるんですか?」

隠「今日はだな。ISO9001のシリーズについてだ。」

八「へぇ~。ISO9001はひとつじゃないんですか?」

隠「そうなんだよ。
  ISO9001は,多分熊さんが自慢していた規格で,お客様がこうして欲しい
  という要求を規格にしたものなんだよ。

  大工の世界でも,こんな家を作って欲しいとか頼まれるだろ?
  それを毎回聞かなくてもいいように要求が書いてあると思えばいいかな」

  詳しい話は,また次にして,まずは,私が半紙に規格の名前を書いたので,
  それを見てみなさい。」(以下を八っつあんに渡す)

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  ISO9000:2000(JIS Q 9000:2000)
   品質マネジメントシステム - 基本及び用語
  ISO9001:2000(JIS Q 9001:2000)
   品質マネジメントシステム - 要求事項
  ISO9004:2000(JIS Q 9004:2000)
   品質マネジメントシステム - パフォーマンス改善の指針
  ISO19011:2003(JIS Q 19011:2003)
   品質及び/又は環境マネジメントシステム監査のための指針
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八「ふう~ん。9001とかいうから,9000と9004は仲間みたいだけど,19011は
  ちょっと仲間はずれっぽいなぁ~。」

隠「まあ,そう言わずに。
  規格の世界もいろいろあるんだよ。これも,順番に指南してあげるから,
  明日,仕事が上がったら,熊さんも一緒に連れてくるといいよ。

  きっと熊さんは,八っつあんのことを羨んでいるかも知れないからな。」

八「・・・。そうっすかぁ? あんまり気乗りがしねーけど,
  ・・・ご隠居さんが言うんだから,聞いてやるとするか。」

隠「じゃあ,熊さんと一緒に来ることで約束成立だ。」


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■ 知ったかぶりネタ教えます ~ご隠居さんのちょいといい話~
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●環境から見たコミュニケーション

前回のメルマガでは,顧客とのコミュニケーションについて「今週の枕」に書きました。
そうしたところ,読者の方から「環境マネジメントシステム」関連のメールを戴きました。

そこで,今回は「環境から見たコミュニケーション」を取り上げます。
(了解をとって掲載しています。)

“謎の隠れEMS事務局さん”からです。
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 ISO14001のコミュニケーションでは,「おでん」の誤記が外部
 (外部利害関係者)からの指摘であった場合は,
  (1) 受付
  (2) 文書化
  (3) 対応
 というステップが必要になります。
 もちろん環境の異常を想定したものなので,しっかりした手順が
 要求されるのは仕方ありませんけど・・・。
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環境マネジメントシステム(EMS)は,品質マネジメントシステム(QMS)より外部利害関係者への情報公開の手順が明確です。

外部利害関係者とは,お客様,株主,銀行,パートナ会社などだけではなく,EMSの場合,近隣住民も重要な外部利害関係者となるところがポイントです。
QMSだけを考えていると見えない部分ですね。

QMSでは,内部外部いずれもあり,用語の定義が以下にあります。
 JIS Q 9000:2000(ISO9000:2000)「3.3.7利害関係者」

環境影響が大きい事業を営んでいる会社の近くに住んでいる住民が被害を受けているというのは,皆さんすぐにお分かり戴けると思います。
(土壌,地下水,大気,騒音など)

外部利害関係者とのコミュニケーションは,ISO14001「4.4.3コミュニケーション b)項」で要求されています。
この中には,外部利害関係者からのクレーム受付けも含まれています。

品質に関係するマネジメントツールだけでなく,他のマネジメントツールも知ると,バランスの取れたマネジメントスキルが身につき,情報の引き出しがたくさん持てますよ。(^-^)


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■ 編集後記
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環境のことをメルマガで取り上げたついでに,もうひとつ。

私の通勤経路のある家(結構大きくて庭が広い)で,たまに家庭でゴミを燃やしている気配があるのです。

朝から黒い煙が立ち込め,何でも燃やしちゃってる?みたいな感じです。
(その黒い煙が,こりゃまた臭い・・・。)

世間では,家庭でゴミを燃やすことは,高温で燃やせないし,ダイオキシンが発生するかも知れないので,法令では「野焼き」は禁止されているのよ!
ということが分かっていないようなのです。

その家の前を通るときは,急ぎ足で息を止めて過ぎ去ります。(--;

塩化ビニールとか発泡スチロールのトレーまで燃やしているのかな・・・。
燃やしている張本人の健康に一番悪い気がするのは,気のせいでしょうか?


おあとがよろしいようで。。。

デデン!


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